2018.7.7 パシフィコ横浜 第一幕 【Plastic】things/1999-2006 感想
Plastic Tree全14アルバムリクエスト公演通称プラフィコに行ってきました。
一応この日のライブの趣旨を念のため…
Plastic Treeパシフィコ横浜国立大ホール"全14アルバムリクエスト”公演2018
メジャーデビュー21年目を迎えたPlastic Treeがこれまでリリースした14アルバムの中から、前半1997-2006、後半2007-2018に分け、ファン投票で1位に選ばれたアルバムを衣装やアー写イメージを含めてフル再現。
今年は昨年の20周年"樹念”公演に引き続き2回目。
すごい。
まだ夢の中にいるみたいな、横浜に体半分を置いてきた気分が残っているうちに感想を書こうと思います。
曲の感想やMCの内容はざっくりニュアンスです。
第一幕 【Plastic】things/1997-2006 トロイメライ
セットリスト
EN.(2位:CELL)
- cell
- メランコリック
- crackpot
- ダンスマカブラ
- うわのそら
- 夢の島
開場前
12時くらいに会場に着いたら、ロビーのところに人が溢れていて物販が混雑しているのかと一瞬思いました。
ら、直前になって発表されたガチャとクレーンの列だったらしく。壁や仕切りに沿ってずらっと大勢が2列になって並んでいて、スタッフさんが誘導していたけどがそれでも少し混乱していたかもしれない。
肝心の物販はそれほど行列もできていなかったため、ひとまずパンフとTシャツは購入する。グッズは全体的に白黒シルバー水色とかなり爽やかで夏っぽいです。そしてなにより
…今回のアー写、再現率ものすごく高いのでは?
メンバーさんの衣装も含め、トロイメライは当時の雰囲気とか質感が全面に出ている感じがしてすごくよかった。doorAdoreは直近のものなのに正統進化していて。そういえば会場には有村貴婦人のコスプレをされている方がちらほらいて、それがすごく素敵でした。
ガチャは早々に諦めて(並ぶ根性がない)同行の妹とそれぞれの推し*1へ突貫でレッドブルと煙草を購入したり*2缶ビール片手に海岸をうろついているうちに開場時間が近づいたためホールの入口に向かいました。
あの…どう見ても30分で捌ける群衆じゃなさそうなんですけど…
どうにか入場して着席した時点で開演時間である14時直前。席はまだ7割くらいしか埋まっていない。
今回の席は超下手の30列台後半。春ツアーはライブハウスだったこともあってかなり近くで見られたため、思いのほか遠くてちょっとしょんぼり。
しかし外にはまだまだ人がいたよなと思いつつ、結局それから開演まで20分以上押すことに。
やっぱりね!
本編
トロイメライのSEが流れるなか、幕の向こう側から照らされたライトでメンバーのシルエットが投影される。
SEはフェードアウトせずに「理科室」に。
続く「グライダー」も併せて聞きながら、この辺りのアルバムから急に音が低くなるし厚みが出ているなあと思いました。
転換で、幕に早回しの「蒼い鳥」のMVが。たしかこのMVはメンバーが倍速で動いて、通常テンポに戻すと周りの大道芸人がスローで動いているように見える、みたいな撮り方をしていたような覚えがあるのですが、どうだったんだろう。パレードの頃の地続きのような、少し違う雰囲気があるような不思議なMVでした。
「蒼い鳥」は最近ライブでよく聞くアレンジだったと。ちょっとギターが違ったような気もしますがわかりません。
ライブで聞くこの曲はCメロから最後のサビにいくときの、竜太朗さんが息を吸う音と無音の緊張感がすごく好きです。全部振り切って、出し切ろうとするように聞こえる感じ。
「散リユク僕ラ」もシングルなので同じ演出。このMVの後に今回の公演名が出てきて、前奏でそれまで下がっていた幕が勢いよく落ちる。
この演出が曲の雰囲気に合っていて会場が一気に温まったように感じました。
「ペットショップ」は歪みきった轟音で、ひたすら重くて暗い。CDだとよく分かっていなかったんですが、ベースだと思っていた音がどうやらギターの音だったようで、そういうのが分かるのもライブのいいところだと思います(そしてこの曲以外にもちょいちょいそういう勘違いがこの日にぽろぽろ発覚して、改めて自分の耳のセンスのなさを確信しました)
ちょっと歌が怪しいのでは…?そういえばこの曲って最後にやったのはいつかしら…?とはらはらしつつ、次曲「懺悔は浴室で」
無機質な同期からの水音みたいなギター、赤と白のレーザーで一気に会場が異空間に。
サウンド自体はペットショップと同じかそれ以上に暗くて重いし、歌詞も陰鬱なのにダンスミュージック。
本編はMCなしなので今回はなかったですが、そういえばいつもはこの曲の入りで竜太朗さんが「踊りましょう」と言っていたような気がします。
これがプラ的ダンスミュージック…やっぱり変なバンドだな…(好きです)
フロント3人もステージを動き回るし、音がぐるぐるしている(語彙)(ループ感?)し、やっぱり踊る曲なんだろうなと実感す。
アキラさんのギターがいかにも「俺が! ギター!! 弾いてます!!!」という感じで素敵です。
不協和音一歩手前のようなギターとピアノ、正さんの幻覚みたいな歌詞が印象的な「赤い靴」と浮遊感が気持ちいい「ガーベラ」に浸っているうちに
「千葉市、若葉区、6時30分。」のガレキを叩くような音(生音っぽく聞こえたけどあれ、何叩いてるんだろう)からドラムのイントロへ。
スクリーンに高速で流れるモノクロの風景とゴシック体の武骨なタイトル。拡声器を片手に投げやりに歌う竜太朗さんと轟音の楽器隊。
竜太朗さんが拡声器を投げ捨てて演奏が終わっても会場が割れるほどのコールで盛り上がるくらい、演出を含めた全部がトータルで格好よかったです。
そしてその盛り上がりとは対照的なテンションでアキラさんが「やるよ」と呟いてから「プラットホーム」のイントロを弾きはじめる。
千葉市~が地上ならプラットホームは海の中のような地下鉄で、そこをひた走っているような疾走感のある演奏からの「Hello」
全体的にハードだったり尖っていたりする曲が多いので、音が優しくシンプルな(に聞こえる)演奏にすごく癒されました。
歪むギターの低音とベースが境目なく混じったイントロの「雨ニ唄エバ」
去年の秋ツアーでも演奏されていたこの曲ですが、今回は細かいレーザーがステージや同タイトルの映画みたいにステージ上を踊る竜太朗さんの黒い傘に投影されていて、それが本当に雨が降っているように見えて綺麗でした。
アンコール
メンバーがTシャツに着替えて出て来て「cell」へ。
ところで一幕のアンコール、MC始まりだったか曲始まりだったか曖昧なんですね…すみません…
改めてライブで「cell」を聞いて思うのは、やっぱりこの曲は変な曲だなぁ、と(誉めてます)
CDでも、ライブでも、この曲の作り方というか構成が全く掴めない。「土に埋まっていた完璧なオーパーツをちょっくら掘り出して来ましたよ」的な、少し奇形じみた完璧さを感じる曲です。ライブでは音源よりも有機的で音の緩急が畳み掛けてくる心地よさがありました。特にドラムが好きなんですね。かっこいい。
アルバム『Cell』は私が生まれて初めてライブというものに行ったアルバムなので、それがアンコールの形でも大きな会場で聞けて嬉しかったです。
ここからはMC解禁とのことで、ざっくりニュアンスですがMCを。
竜太朗さんのようやく名前が言えます、の一言からゆるくMCタイム。
竜「MCがないのは全曲再現だからで、不機嫌なわけではないです。なんならご機嫌です。次点のアルバムcellからメンバーが選んだものを…ほとんど正君が選んだんですけど」
一幕の竜太朗さんは昔懐かしの金髪だったのですが(しかしびっくりするくらい当時と変わらないな、あの人)地毛をyoutubeで調べてワックスで金髪に染めたところほとんど変わらなかったのでウイッグを被っていたそう。
竜「次の曲は何だと思いますか?」(例のギターを装備して)
海「メランコリック!」
竜「よく分かりましたね。あなたに幸あれ」
明「(そろそろ)やってもいいのかい?」
と尋ねつつアキラさんが弾き始めたギターのイントロと、竜太朗さんの「あれですか?」という言葉とがってしまい…気が合ってるんだか合ってないんだかわからん人たちだな~(好き)
「メランコリック」は流石にメンバーもファンもド鉄板なだけあって盛り上がる。私もある意味一番テンションが上がったのはこの曲でした。もうね、体が覚えてるんですね。
次は個人的に超久々の「crackpot」。めっちゃコーラスしてましたね、アキラさん。なんとなくアキラさんのコーラスってレア感があって聞くと嬉しくなる(あと声が素直にかっこいい)のですが、この曲はコーラスというかツインボーカルというか。
正「パシフィコ―!」
海「イエーイ!」
の掛け合いがありつつの正さんMC
正「トロイメライは予想していましたけど、cellはね…」
と感慨深そう(?)な一言を。予想外だったんですかね?
ナイスボイスが掠れ気味でちょっとお疲れかな? と心配になりました(まだ一幕なんすよ…)
そして「赤い靴もペットショップもすごく久しぶりだから聞けた人はラッキーですね」的な一言に(ああああやっぱりそうだったんですね!)とあの危なっかしさ緊張感に納得する。
正「お天気はどうですか?」海月「くもりー」「晴れー」のやりとりから竜太朗さんとお天気の話に。
竜「西日本が大変で」
正「来たくても来られなかった人も沢山いるでしょう」
竜「雨の野郎め…」
正「なんでこっちを見るんですか」
注)
この日は西日本が記録的な豪雨で会場にたどり着けなかった方もかなり多かったようで。
私自身、住んでいる場所がもろ被災地ど真ん中でして*3たまたま前乗りしていたため(それでもかなりギリギリセーフでしたが)ライブに参加できましたが、この時はそれほど被害が大きいなど知る由もありませんでした。
Twitterや地元の人からの報告くらいからしか、本当にこちらには情報が入ってこなかったです。
正さんがステージに向けて両手を伸ばして(?)「この光景がその人たち(来られなかった人たち)に届け」と念を送って「ダンスマカブラ」「うわのそら」
正さん詞曲2連発です。
タイプが全然違うのに、どちらもいかにも正さんらしい曲で。
アキラさんはめちゃくちゃギター弾きまくって上手を煽っていました。
ダンスマカブラのベースは聞いて楽しい、見て楽しいアグレッシブなベースです。ゴリゴリの正海月の身としてはライブハウスの下手正さん最前ドセンで暴れたい一曲。
思い起こすこと14年前、初めて参加したライブは前から2列目の良位置にも拘らず楽しみ方がよく分からず最初はずっと戸惑っていました。その時、この曲でぐるぐる踊る最前のお姉さんたちと、ニコニコ微笑みつつ跳ねながらあの激しいベースを弾きまくる正さんの姿を見て「ああ、ライブってこんな感じで自由に楽しんだらいいのか」と悟ったものでした。
ステージ上で笑顔が素敵な永遠のパンクお兄さんがベース抱えて跳ねる下手、おすすめです。
竜太朗さんの「何かないですか?」の問いかけからこの日初めてのケンケンさんのMC
ケン「トロイメライをやるってのも楽しみでしたけど、ここでみんなと会うのが楽しみでした」
ケン「(トロイメライを作って)こん人達(フロント3人)は偉い! 隆さん、ササブチさん、やりました!」
ああああケンケンさん! やっぱりこの人、いいな…好きだな…
と、ここで「水を差すようだけど」とアキラさん。「ぶっちはいたけどトロイメライは実質ここの3人(正、明、竜太朗)で作ったから」
そういえばそうでしたね。ササブチさんはドラムを叩いたものの、大筋の形はほとんど3人で完成させていたそうです。*4
散リユク僕ラは隆さん、蒼い鳥のときはドラムチューナーの的場さんと実質この時期は3人のドラマーさんが関わっていたそうで、そのためアキラさん曰く「今回一番偉いのは(3人憑依させた)ケンケンです」とのこと。
トロイメライはプラの長い歴史の中でもかなり波乱万丈の時期*5に作られたアルバムで、だけどそういう歴史も含めてアルバム再現公演が見られるのも、プラがここまで続いてくれているからなんだよなぁ、という感慨でいっぱいになりました。
ラスト1曲、竜太朗さんが「ここが夢の島です」と告げて「夢の島」へ。
音源はドラムの入っていないアコースティック曲ですが、ここで演奏されたのはロックバージョンでした。
ちょっと物悲しい原曲とは全然違うこのアレンジ、凄く好きです。
プラは喪失感をモチーフとする曲が多いバンドですが、この曲はどちらかといえば喪失というよりも無力感とか、孤独感とか、そういうものを感じていました。
一人で前だけ見据えて歩き続けてきた人が、「夢の島」という寂しい場所にたどり着いてふと振り返ったら誰もいないことに気づいたときの心細さとか、そうまでして得たものが「これだけだった」と悟ったときの虚しさとか、この曲を聞くといつも私はそういう感情が浮かんできます。
でもこの日の夢の島は、やっぱりどこか物悲しいんですけど寂しい曲とは思いませんでした。
なんというか、1人じゃなくて4人で寂しい場所にたどり着いたのを見届けたような感じ。
去年のプラフィコ2幕ラストの「記憶行き」のようにアウトロをのびのびと演奏する4人がすごく楽しそうで、もう私たちのことは置き去りでいいからずっと4人でどこまでも歩き続けてほしいと思う。
彼らが自分達の音楽を作り続けてきた結末のひとつを見届けたような、ビターエンドのいい映画を見終わったような多幸感で満たされているうちに1幕が終わりました。
帰宅後、絶対どこかでこのアレンジ聞いたことがあったなと思いつつ頭捻っていたら、昔ファンクラブに入ったときに入会特典(だったはず)で裏cellの音源をもらったことを思い出しまして。すごく久しぶりに引っ張り出してきたCDを聞いたら確かに近いアレンジの夢の島が収録されていました。
でも今回のほうが絶対的によかったです。どこがとは具体的に説明できないのですが、熱量のような何かが確実にいい意味で違う。もちろん技術力も上がったのでしょうが、10年以上を経て今のメンバーが解釈した「夢の島」が、寂しさではなくバンドの熱を感じさせるもので本当によかったと思います。
マジでDVDリリースしてください(頼んだぞ)
2017 パシフィコ横浜 【Plastic】 things 【Tree】 songsの覚書 第二幕
前回の第一幕に続いて第二幕の感想を書いていこうと思います。
こっちは第一幕よりももっと記憶が曖昧なので悪しからず…なので大分こっちは短めです…
第二幕【Tree】songs/2007–2016
セットリスト
感想
実は後半のアルバムで選ばれたのが「ネガとポジ」だったのがちょっと意外な印象がありました。
今にして思えば、メジャーデビュー十周年の節目に武道館ライブという、リリースのタイミング(アルバムのクオリティが激高なのは大前提で)を考えればものすごく順当な結果なんですが。
改めてライブで聞くと、こちらも一幕のPuppet Showと同様、ライブでも定番の曲――それも節目だったり単独公演だったりといったちょっとスケールが大きめのライブで度よく聞く感じだなと思いました。
「眠れる森」や「アンドロメタモルフォーゼ」のような壮大な曲や、「涙腺回路」や「ザザ降り、ザザ鳴り。」のようなロックがあるかと思えば「スピカ」みたいな曲もあったりと、こちらも随分振れ幅の大きいアルバムですが、その中のどの曲も、どんなセットリストに組み込んでも埋もれず真価を発揮しそうな骨太感がある気がします。
「黒い傘」辺りは骨太すぎてライブでやるには「3月5日。」と同ポジションという感じが否めませんが。
一曲一曲の感想としてはいろいろありますが、第二幕に関しては「アンドロメタモルフォーゼがヤバかった」という一言をもって総括とさせていただきたい所存。
CDで聞いた感じだとあまり思わないんですが、この曲と「サーカス」ってライブバージョンに限って言えば完全に同質だと思います。
第一幕、第二幕で続けて聞いたため、よりそう感じたのかもしれません。
どっちの曲も静かに始まり徐々に外側に向かって音が展開していく楽曲で、情景的な歌詞も相まってものすごくトリップ出来ます。
私はこの曲をまだライブハウスでは聞いたことがないんですが、ホールの演出や音響でこそ本領発揮する曲だなあと改めて実感しました。
個人的な思い入れについて
ここから先は本編・アンコールの感想ではなくて、第二幕を通しで見てからのラストのケンケンさんのMC(というよりも捌けの挨拶ですね)から得た、めちゃくちゃ個人的な感慨についてです。
第一幕と同様、ケンケンさんが「ササブチさん、俺はやりましたよ!」と捌ける際に叫ばれていたんですが、この後に「アンタのドラム難しかー!」と続けられていて。
なんかこの言葉がびっくりするくらい胸に迫ったんですね。涙腺をダイレクトに直撃されて*1狼狽えながらふと隣を見ると妹も同じように泣いていました。
なんで!? さすがに我々情緒不安定過ぎない!? と、どうしてこんなにもあのMCが心臓にきたのか姉妹が膝を突き合わせて割と真剣に考えた結果が以下のようなことになります。
トロイメライリリース時である2002年からササブチさんが脱退する2009年までの7年、妹と私は14歳から21歳という音楽の影響をダイレクトに受ける時期に彼の在籍しているPlastic Treeの楽曲を聞いて成長してきました*2
当然彼の脱退直前のウツセミツアーファイナルとFC限定脱退ライブも経てきていて、その時その時のタイミングで思うことがあったわけですが、どうにも心のどこかではきちんとその事実に折り合いをつけられないまま今に至るような感じがあった気がします。
何かのインタビューで竜太朗さんが「メンバーが脱退したバンドは一度死んで生まれ変わるようなもの」とおっしゃっていたかと思うのですが、この言葉がケンケンさんのMCでようやく私の中で腑に落ちたような気がしました。
「なるほど、私の青春の大部分を作り上げたPlastic Treeはあの時に一度死んだんだな」と、ササブチさん脱退から八年目にしてようやくその事実を受け入れられたのがあの第二幕のタイミングでした。*3
あの頃、自分にとってのプラは好きすぎて愛憎半ば、みたいな屈折した愛情を抱くほどでした。
現在のドラマーであるケンケンさんが、かつて十周年を念頭に置いて作られた「ネガとポジ」(とササブチさんラストアルバムの「ウツセミ」)にフォーカスしたライブでササブチさんにああしたメッセージを投げたということで、
確かに自分はあの技巧的で緻密な難度の高いドラムを叩くササブチさんと、彼が在籍していたPlastic Treeを心から愛していたと再確認するに至りました。
そして昔の自分とあの頃のプラをようやく弔えたような、そういうこと全部が報われたような、そんな感慨が胸に迫ったんだと思います。
あの…ものすごい縁起でもない感想になってほんとすみません…
ササブチさんは笹渕さんとして現在でも音楽シーンの第一線でご活躍されていますし、プラはあれから九年を経て今年はメジャーデビュー21年目と、いよいよ妖怪じみた経歴のバンドになりつつあります。
去年はデビュー十周年のアルバムを演奏した会場で、今年はデビュー二十周年の最新アルバムが演奏されます。
大きなツアーを終えた直後にこのアンケート結果ということで様々な意見が散見されますが、私個人としては
これはこれでありだよ
というふわっとした感想を引き連れて今年のプラフィコに臨もうと思います。
(私はインクにめちゃんこ投票してました…)
2017 パシフィコ横浜 【Plastic】 things 【Tree】 songsの覚書 第一幕
もうすぐ(2018.7.3現在)二回目のプラフィコ横浜ですね。
春ツアーから随分空くなあとしょんぼりしていたら気が付けば今週末って…
月日の流れる速さに恐れ戦くしかない
今年は去年*1とはアルバムが違うので、
約一年前に参戦した20周年樹念特別公演inパシフィコ横浜のライブレポという名の回想を書こうかと思います。
当時、簡単なメモにも残していなかったうえに、そもそもPlastic Treeどころかライブ自体が三年ぶりという体たらくだったため、
その反省も兼ねた記憶の掘り起こしと備忘録ですので、レポですらないかもですが良ければ何かの参考までに。
doorAdoreは初回A・B所持のため映像は手元にありますが、あくまでそれを見直す前の、当時そのままの感想になります。
前置きが長くなりました。以下からセットリスト及び簡易レポです。
第一幕 【Plastic] things /1997-2006
セットリスト
- Intro
- May Day
- リセット
- 絶望の丘
- 幻燈機械
- 「ぬけがら」
- 本当の嘘
- monophobia
- クリーム
- 3月5日。
- サーカス
- 理科室
- グライダー
- ガーベラ
- 散リユク僕ラ
- 蒼い鳥
感想
初めてパシフィコ横浜に行ったのですが、大きい会場だな、と。
プラのホールライブはそれこそ武道館も含めて何度も見たことがありましたが、それでも久々なこともあって座席数の多さに驚いたのを覚えています。
席は1階でしたが、チケットを取ったのが遅かったので後ろの方でした*2
どれくらい押したのかは覚えていませんが、ほとんど時間通りだったかと(というかプラさんの場合10分程度なら誤差の範囲ですね…)
まずIntroから始まりましたが、映像があまりにも当時の竜太朗さんで、最初は昔の映像を使っているのかと思いました。
しかしそれにしてはどうも科白(?)が違う気がするし何よりも長い。どうやら再録のようで。ライブでIntroを聞くこと自体初めてでしたが、あの広い会場を壊れて歪なメロディがあの長さを流れるのはものすごく不安になります。
不安というかめちゃくちゃ怖い。そういえば、昔はこのアルバムが怖くて聞けなかったんだよな、ということを思い出したり、これが最新映像なら竜太朗さん変わらなすぎでしょう、とかそんなことを考えているうちに終了してからのMay Day。
ライブもさることながら、この曲を生で聞くのもめちゃくちゃ久しぶりでテンションが上がりました。
いやあ、かっこいい曲だなと思いつつも、まだライブの感じを手探りで思い出そうしているためノリきれず。もったいなかったなあ。
流れるようにリセット。この流れ、当時のキラーチューンだったんだろうなぁと思わずにいられない。こんなんずるいやん、盛り上がらんわけないでしょ。
リセットを前半に聞くのは初めてでした。できることなら狭いライブハウスでこの流れを体感したかった。
で。
ええと、そのあとは割と覚えていなくて…
DVDは見たのでどんなライブだったのかは思い出したんですが、当時あの演奏を見ながら何を感じたかとか、MCどんなだったかとか、それが全くと言っていいくらいきれいさっぱりでして…
もしこの文章が何かの参考になるなら一番書かなきゃならんことが抜け落ちてて、ほんと、アホかと。
とりあえずぼんやり覚えていることを箇条書きで
・3月5日。「ぬけがら」は静→動の振れ幅が本当に凄い。サビの魂の叫びみたいな強さはただ棒立ちで聞くしかなかった
・クリームは景気がいい曲
こればっかりは、どの会場でどんなアレンジで聞いても満足するし楽しくなる曲。景気がいいという形容詞しか思いつかない。
・サーカスがやばい(やばい)
・ケンケンさんのMCがナイス
久しぶりに聞いたのに、相変わらずの九州弁で誠実にしゃべる感じなんだな、と。もう加入して8年(当時)経つのにあの擦れなさ(とそう感じさせる様)は一体どうしたことか。
総括
ライブでフルで聞いて思ったのが、改めてPuppetShowはポテンシャルがすごいということでした。
多分、このアルバムはどのタイミングでファンになった人でも共有できるほとんど唯一のアルバムなんじゃないかなあと思います。
それくらいどの曲もライブでよく演奏されるし、歴史が長い。
もしかしたら最近の海月さんの中にはmonophobiaとか本当の嘘*3とかはライブで聞いたことがないって人もいるのかもしれませんが、
それでも絶対に何曲かは本編なりアンコールなりで聞いたことがあるアルバムじゃないかと。
それくらいファンもメンバーも特別大切にしているアルバムなんじゃないかな、と思った次第です。
色んなアレンジや演出にも耐えうるくらいポテンシャルがあって、なおかつ今に続くプラらしさが全面に出ているのを実感したライブでした。
アンコールのトロイメライも最&高でした*4が、さすがに1位になっただけあってPuppetShow全曲はすさまじかったです。まさにサーカス的なアングラのエンタメ、ここに極まれりという感じで。
その象徴みたいなのがサーカスという曲じゃないかなあ、と思いました。
この曲は昔よりも最近好きになった、というよりこのライブがきっかけで良さを再確認するのと同時にもっと好きになったという思い出があります。それくらい秀逸な演奏でした。
原曲自体がかなり情景的なエンタメ性のある曲なのですが、
それこそこの日の演奏はどっかに連れていかれたようなトリップ感があって、そういう体験ができたらその日のライブはおつりが出るくらい大満足なのですが、ほんとメンバーに金一封を包みたい、そんな感じの出来栄えでした。
狭い部屋にいたはずが、気が付けば広場でサーカスの集団に巻き込まれていて、多幸感のうちに突然突き放されるように夢が覚めて、寂しい広場で一人きりで立ち尽くしている。
頭の半分ではライブを、もう半分でそういう映像を眺めているようなものすごく不思議な体験*5をしたわけですが
そうなったのは演奏・演出の凄まじさやあの日の自分のテンション、それに加えて曲の持っている力がそうさせたんだろうなぁと今にして思ったり。
第一幕のMCで印象に残っているのはケンケンさんでした。
「元々のアレンジに忠実に叩こうとしっかり覚えていったら、もっと自分を出していいと(メンバーから)言われた」的なことをおっしゃってましたが(曖昧で申し訳ない)ほんと、誠実という言葉が似合う方だなあとしみじみ感じました。
捌けるときの「隆さん、俺はやりましたよ!」の一言で一層そう思いました。
ていうか、もし今年のやつも初回盤形式でDVDが出るならMCの収録も頼む…
こればっかりは尺やら事情やらあるんでしょうが、なんかこういう節目のときは曲以外の思い出は胸にって感じじゃなくて記録として残しておいてほしい。
単にメンバーMCが好きなのもあるんですが。
というわけで次は第二幕です。
分けるほどでもない情報量ですが、記憶を掘り起こしつつ書いているので思ったよりも時間が…
はじめまして
初めまして。吉村と申します。
数年ぶりにバンギャとして出戻ってきたので、せっかくなのでライブのレポとか音源の感想とかを自分の備忘録的に残していこうと思い、ブログ開設に踏み切りました。
直近で参戦したライブや過去に参戦したライブの覚書、映像や音源について思ったことをゆるっと書いていく所存です。
と言いつつ、今のところ主に人生の半分くらいファンをやってるPlastic Treeの話題がメインになります。
彼らに興味を持った人が吉村の残したしょうもない記録を見て何かの参考にしてくれたらいいなあと思いつつ、まったり続けられるだけ続けます。
あっ、
音楽の専門的なこととかは一切分からないお粗末な耳です。曲がりなりにも十数年プラのファンやってるのにシューゲ…? オルタナ…?(新しい概念)みたいな、ほんと残念なレベルです あしからず
何年か前は日常ブログをやっていたこともあったのですが、なにぶん何年もブランクがあるので完全に書き方を忘れてますので、拙いですが大目に見てやってください。
以下、簡単な自己紹介的な…
- 管理人:吉村
- 人生の半分くらい海月*1やってる社会人
- 略歴
2009年頃まではそれなりにライブにも通ってましたが、気が付けばゆるゆるの音源ギャ*2になっていました。
数年を経てプラさんのメジャーデビュー20周年樹念のプラフィコに参加して、まんまと出戻ってきました。
学生だった当時よりも持ち合わせたパワー(財力とか思い切りとか)を駆使して青春を取り戻そうとしながら一年くらいたち今に至る
- 直近(2018.7.2現在)の参戦予定
・7/7 パシフィコ 一部、二部
・8/5 Rock'in on Fes
・秋ツアー 福岡、大阪
どうぞよろしくお願いいたします。
*1:Plastic Treeファンの総称
*2:ライブに参加しないバンギャをこんな感じで呼んでるのを見たことある気がします…。それにしても何歳までギャを名乗っていいんだろうか