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2017 パシフィコ横浜 【Plastic】 things 【Tree】 songsの覚書 第二幕 

前回の第一幕に続いて第二幕の感想を書いていこうと思います。

こっちは第一幕よりももっと記憶が曖昧なので悪しからず…なので大分こっちは短めです…

 

第二幕【Tree】songs/2007–2016

セットリスト
  1. 眠れる森
  2. 不純物
  3. エレジー
  4. スピカ
  5. ザザ降り、ザザ鳴り。
  6. 無人
  7. オレンジ
  8. Sabbath
  9. egg
  10. 涙腺回路
  11. 黒い傘
  12. アンドロメタモルフォーゼ
  13. うつせみ
  14. メルト
  15. 真っ赤な糸
  16. リプレイ
  17. 記憶行き

 

感想

実は後半のアルバムで選ばれたのが「ネガとポジ」だったのがちょっと意外な印象がありました。

今にして思えば、メジャーデビュー十周年の節目に武道館ライブという、リリースのタイミング(アルバムのクオリティが激高なのは大前提で)を考えればものすごく順当な結果なんですが。

 

改めてライブで聞くと、こちらも一幕のPuppet Showと同様、ライブでも定番の曲――それも節目だったり単独公演だったりといったちょっとスケールが大きめのライブで度よく聞く感じだなと思いました。

「眠れる森」や「アンドロメタモルフォーゼ」のような壮大な曲や、「涙腺回路」や「ザザ降り、ザザ鳴り。」のようなロックがあるかと思えば「スピカ」みたいな曲もあったりと、こちらも随分振れ幅の大きいアルバムですが、その中のどの曲も、どんなセットリストに組み込んでも埋もれず真価を発揮しそうな骨太感がある気がします。

「黒い傘」辺りは骨太すぎてライブでやるには「3月5日。」と同ポジションという感じが否めませんが。

 

一曲一曲の感想としてはいろいろありますが、第二幕に関しては「アンドロメタモルフォーゼがヤバかった」という一言をもって総括とさせていただきたい所存。

CDで聞いた感じだとあまり思わないんですが、この曲と「サーカス」ってライブバージョンに限って言えば完全に同質だと思います。

第一幕、第二幕で続けて聞いたため、よりそう感じたのかもしれません。

どっちの曲も静かに始まり徐々に外側に向かって音が展開していく楽曲で、情景的な歌詞も相まってものすごくトリップ出来ます。

私はこの曲をまだライブハウスでは聞いたことがないんですが、ホールの演出や音響でこそ本領発揮する曲だなあと改めて実感しました。

 

個人的な思い入れについて

ここから先は本編・アンコールの感想ではなくて、第二幕を通しで見てからのラストのケンケンさんのMC(というよりも捌けの挨拶ですね)から得た、めちゃくちゃ個人的な感慨についてです。

 

第一幕と同様、ケンケンさんが「ササブチさん、俺はやりましたよ!」と捌ける際に叫ばれていたんですが、この後に「アンタのドラム難しかー!」と続けられていて。

なんかこの言葉がびっくりするくらい胸に迫ったんですね。涙腺をダイレクトに直撃されて*1狼狽えながらふと隣を見ると妹も同じように泣いていました。

なんで!? さすがに我々情緒不安定過ぎない!? と、どうしてこんなにもあのMCが心臓にきたのか姉妹が膝を突き合わせて割と真剣に考えた結果が以下のようなことになります。

 

トロイメライリリース時である2002年からササブチさんが脱退する2009年までの7年、妹と私は14歳から21歳という音楽の影響をダイレクトに受ける時期に彼の在籍しているPlastic Treeの楽曲を聞いて成長してきました*2

当然彼の脱退直前のウツセミツアーファイナルとFC限定脱退ライブも経てきていて、その時その時のタイミングで思うことがあったわけですが、どうにも心のどこかではきちんとその事実に折り合いをつけられないまま今に至るような感じがあった気がします。

 

何かのインタビューで竜太朗さんが「メンバーが脱退したバンドは一度死んで生まれ変わるようなもの」とおっしゃっていたかと思うのですが、この言葉がケンケンさんのMCでようやく私の中で腑に落ちたような気がしました。

「なるほど、私の青春の大部分を作り上げたPlastic Treeはあの時に一度死んだんだな」と、ササブチさん脱退から八年目にしてようやくその事実を受け入れられたのがあの第二幕のタイミングでした。*3

あの頃、自分にとってのプラは好きすぎて愛憎半ば、みたいな屈折した愛情を抱くほどでした。

現在のドラマーであるケンケンさんが、かつて十周年を念頭に置いて作られた「ネガとポジ」(とササブチさんラストアルバムの「ウツセミ」)にフォーカスしたライブでササブチさんにああしたメッセージを投げたということで、

確かに自分はあの技巧的で緻密な難度の高いドラムを叩くササブチさんと、彼が在籍していたPlastic Treeを心から愛していたと再確認するに至りました。

そして昔の自分とあの頃のプラをようやく弔えたような、そういうこと全部が報われたような、そんな感慨が胸に迫ったんだと思います。

 

あの…ものすごい縁起でもない感想になってほんとすみません…

 

ササブチさんは笹渕さんとして現在でも音楽シーンの第一線でご活躍されていますし、プラはあれから九年を経て今年はメジャーデビュー21年目と、いよいよ妖怪じみた経歴のバンドになりつつあります。

 

去年はデビュー十周年のアルバムを演奏した会場で、今年はデビュー二十周年の最新アルバムが演奏されます。

大きなツアーを終えた直後にこのアンケート結果ということで様々な意見が散見されますが、私個人としては

これはこれでありだよ

というふわっとした感想を引き連れて今年のプラフィコに臨もうと思います。

(私はインクにめちゃんこ投票してました…)

*1:この文章を書きながら今も若干泣いてる

*2:双子なので完全に同じ海月歴を所持

*3:我ながらさすがに遅すぎるのでは?